ハリウッドのメジャースタジオがネットで宣伝

スマホやSNSの普及に伴い、米ハリウッドの映画・配給製作会社(メジャースタジオ)とネット企業のタイアップ広告による共同プロモーション)が増加した。ネットを使ったPR戦略は、映画スタジオにとって欠かせない宣伝形態になった。

映画会社は、新作のサイトであらすじや予告編を無料で公開するようになった。監督や出演者の経歴や過去の出演作といった基礎データも公表した。映画ファンにとって極めて魅力的なものになった。

グーグル(Google)が「ダ・ヴィンチ・コード」のPRサイト

ネット会社にとっても、新作映画のプロモーションサイトは、ネット企業のためのPRコンテンツになった。互いの作用につながった。

検索サイト大手のグーグル(Google)は、「ダ・ヴィンチ・コード」の公開に先立ちPRサイトをオープンさせた。しかし、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、グーグルに1円も広告費を支払わなかった。

2006年6月公開の「スーパーマン・リターンズ」もネット関係企業の協力を得て、ファンサイトなどと連携を取りながらサイトによる共同プロモーションを展開した。

年間の広告費の内訳

アメリカの映画製作会社が自社新作をPRするために2005年に支払った年間の広告費の内訳(米調査会社TNSメディア・インテリジェンス調べ)をみると、1位は地上波テレビで18億ドル(約2000億円)だった。2位は新聞で11億ドル(約1200億円)だった。3位はケーブルテレビで6億1800万ドル(約680億円)だった。

米ハリウッド業界紙デイリー・バラエティによると、ハリウッドの映画製作会社で2005年、最も多く広告費を使ったのはユニバーサル映画で6億1600万ドル(約677億円)。2位はワーナー・ブラザーズ映画で5億9400万ドル(約653億円)、3位はソニー・ピクチャーズエンタテインメントで5億7200万ドル(約629億円)だった。

1位は「バットマン・ビギンズ」

映画作品別にみると、1位は「バットマン・ビギンズ」(ワーナー・ブラザーズ映画)で4850万ドル(約53億3500万円)、2位は「シンデレラマン」(ユニバーサル映画)で4800万ドル(約52億8000万円)、3位は「宇宙戦争」(パラマウント映画/ドリームワークス)で4510万ドル(約49億6000万円)。

媒体別の内訳を見ると、テレビ(地上波・ケーブル)と野外広告がほとんど。残りはラジオとネットだった。